旧山内家下屋敷長屋

旧山内家下屋敷長屋全体

高知城から五分程の距離に、南御屋敷と呼ばれた山内容堂(やまのうち ようどう)の下屋敷がありました。幕末、藩主であった容堂は、南御屋敷の東に隣接する武家屋敷七軒を召し上げて長屋を建てさせます。この時建てられた長屋が、旧山内家下屋敷長屋です。

昭和53年(1978年)に、国の有形文化財に指定されたこの長屋。大名の下屋敷内に建てられたものとしては、全国的にもめずらしいものだそうです。

階下(一階)

現在、旧山内家下屋敷長屋は、ホテル三翠園(さんすいえん)の敷地内にあり、外壁の一部として利用されています。長屋の入り口は、ホテルの正門と同様、道路側から見えますが、入る時は、ホテルの正門から入ります。(入ってすぐ右手に長屋の入り口があります。)

スリッパを履き、さぁ見学しよう!と受付のある部屋を曲がると…ずらーっと遠くまで一直線に廊下が!!長い長い廊下が続いています。この長さに、「いくつ部屋があるんだろう!?」と少し威圧されてしまいます。

部屋全体 弁当箱 銭箱

一階は、土間を含めると土壁によって6つの部屋に分かれていて、土間と、第二室、第三室の間に、二階に通じる階段があります。そして、それぞれの部屋には、江戸時代の生活を偲ばせる品々が展示されています。籠、屏風や洋服といったオーソドックスなものから、銭箱、お弁当箱といった、ちょっとおもしろいものまでおいてありました。それにしても、銭箱がなかなか大きく頑丈そうで、紙幣がなかった頃は、随分保管にも苦労したんだろうなぁと余計な心配までしてしまいました。

階上(二階)

和船 二階は、特別展示室になっています。長屋と直接関係がないものだそうですが、和船や、高知ゆかりの人々の写真(土佐の人物シリーズ)が飾ってあります。和船は、帆のカーブや、船の内部がとても精巧に作られていて、ミニチュアとは思えない!と魅入ってしまう程のものでした。

土佐人物シリーズ 土佐の人物シリーズは、「土佐の為政者たち」「海を渡った男たち」「土佐の文人たち」など、8つの項目に分けて計40人の写真が展示されています。ちなみに、写真は左から田中光顕(たなか みつあき。坂本龍馬と同じ勤王の志士。龍馬暗殺の現場にいち早く駆け付けました)・岩崎弥太郎(いわさき やたろう。三菱財閥の基を築きました)・後藤象二郎(ごとう しょうじろう。将軍への大政奉還建白を容堂に勧めました)の順です。

すぐ近くに…

筆山 長屋の横の坂道を登っていくと、すぐに鏡川に出ます。鏡川の向こうには筆山(ひつざん)という山があり、素晴らしい眺めが広がっています。取材をした日は、三月の中旬だったのですが、川縁に植えられた芝生の合間からちらほら出ている草花や、風にさらさら揺れている柳が、ぽかぽか陽気をさらに心地良く感じさせてくれました。

メモ

【参考資料】

関連リンク:高知市公式サイト

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